籐敷物ができるまで
籐とは
籐の故郷、カリマンタン島
籐敷物に使われる「籐」が自生するインドネシア領のカリマンタン(ボルネオ)島。籐はカリマンタン島の奥地に生育する太さ10mm前後のつる性植物です。節があり刺を持った表皮につつまれており、籐の繊維は章句物の中でも最高クラスに硬く丈夫で長さも大きいものだと200mを超えるそうです。また、成長スピードも速く5年ほどで加工に適した大きさまで育ちます。
籐敷物/下準備編
籐あじろ、籐むしろを作る前に籐の原木を素材にする下処理・下準備から始まります。
この作業もほとんど手作業で行われています。
仕分け前の籐
籐の原木からある程度皮や刺の部分を加工して取ってある状態です。ここから工場で選別、素材加工を施していきます。
サイズ仕分け
一本一本太さが異なるので型枠に当てがいながらサイズごとに細かく仕分けしていきます。
節取り
籐の節を専用のナイフを使って一つ一つ削り取ってなめらかにしていきます。気の遠くなるような細かい作業ですがより良い品質にする為には必要不可欠な作業です。
割き分け
一本ずつ機械に通して籐を割いていきます。籐の太さによって様々ですが籐1本から2~4本に割かれます。
漂白
製品の色味を一定にする為に大きなプールで籐を漬け込み漂白・洗浄します。
厚み調整
洗浄して乾燥させて綺麗になった籐を同じ厚みに揃えていきます。
束分け
製品のサイズごとに必要本数を束分けしていきます。
籐敷物を作る下準備が出来ました。次は籐あじろ、籐むしろができるまでをご紹介します。
籐あじろが
できるまで
籐を編み込んで一枚を仕上げる物を籐あじろと言います。
編込む作業は熟練の職人でないと作れません。周りのかがりの部分が籐むしろより難しいので価格も高くなっています。
編み込み作業
下処理がされたあじろの素材をピールと言います。籐ピールを手作業で編み込んでいき大きな1枚に仕上げていきます。
裏面カット
1枚編み終えた後裏返しにし、途中でピールの長さが足りなくなったときに追加した際に裏面に引っ張っておいたピールをカットしていきます。
表面処理
籐ピールには色が濃ゆい部分もあり編む際にどうしてもまざってしまいます。このままが見た目が悪いので1本抜いて、綺麗なピールを1本入れる。という作業を繰り返していきます。
サイズにカット
編まれた1枚をサイズごとにカットしていきます。大きなはさみでジョキジョキと切っていき、数ミリの誤差はハンドメイドならではの素敵な誤差です。
裏面/不織布貼り
サイズに切ったものを厚さ数ミリのウレタンが付いた不織布を貼っていきます。籐あじろだけではペラペラでほどけてくるので裏貼りをしていきます。
角カット
かがり処理をする前に角の部分を大きなはさみで丸みが帯びるように、不織布ごとカットしていきます。
かがり編み
編み込んだ部分がほつれないように仕上げに端をかがり用のピールでかがっていきます。熟練の限られた職人さんしかできない、特別な作業です。
バーナー/ひげ焼き
細かく出ているひげのようなささくれをバーナーであぶって燃やしていきます。こげないように絶妙な火加減で仕上げていきます。
最終表面検品
仕上がった籐あじろ敷物を1枚ずつ丁寧に最終検品していきます。この後、社員が現地工場に行きさらに厳しい目で検品して必要であればその場で補修や修理をします。
籐むしろが
できるまで
横糸で籐をひとつひとつ連結して、すだれのように仕上げた生地は「藤むしろ」と呼ばれます。
籐むしろは籐生地の制作工程の違いにより、上級品と通常品2種類のグレードに分類されます。
籐の太さを揃える工程において、上級品はマシンメイド、通常品は手作業となっており、
繊維がより均一に仕上がるマシンメイド商品の方がグレードが高くなっています。
穴開け
専用の機械を使って籐の側面に糸を通す為の穴を一定間隔で開けていきます。
紐通し
しなりのある長い特殊な針を使って麻糸を1本1本穴に通していきます。
切り揃え
1枚の敷物になった両端を大きなハサミで切り揃えます。
三角穴切込み
先が三角に尖った刃物を使って縁かがり用の穴を手作業でまっすぐと開けていきます。
手がかり
皮籐を針に通して手でかがり付けをします。とても難しい作業で一人前に仕上げれるようになるには10年ほどかかります。
検品/補修
人の目で細かく検品して補修箇所が見つかれば補修・交換してキレイに仕上げていきます。
裏貼り
裏貼りありの製品の裏貼り作業です。大きなプレス機を使って不織布を圧着させた後手作業で縁を貼っていきます。
炙り作業
裏貼りなしの製品の裏側をガスバーナーで炙ってささくれ等を焼いて仕上げていきます。
最終検品
さらに最終検品をして、製品として完成します。九州キロニーではここからさらに現地で社員が検品をします。